とある日本語教師の身辺雑記

中国の大学で日本語を教えながら、日常の雑感や出来事を気の向くままに綴ります(最近は麺と猫と自転車が主)。

久しぶりの更新(とビール)。

長いことブログのことをわすれていた(すみません)。

「主審」(日本語や内容のチェックをするお仕事)を仰せつかった教科書の校正に追われていたからである。

校正は2校まで終わるつもりが、いざやり始めたら問題をガンガン発見してしまい、結局4校までやった。

自分の名前が出る仕事だし、なにより出版されたあと来学期の授業で実際に使うことになるので、気が抜けなかったのである。

いざ授業をしてみたところでポロポロとミスが見つかって、学生さんに、

「あら先生、こんなにたくさんミスを見逃してるわよ。なにが『主審』よ、プークスクス」

なんてわらわれたくない。

とくにこの教科書では一課ごとの導入となる文章も書かせてもらったので、授業中に学生を前にして自分の文章の間違いに自分で気づくというのは是非とも避けたい。

ということで、7月が来るまでずっとシコシコ校正をしていた。

なんとか無事に出版も終わり、一段落。

 

で、夏休みである。

今年は7月初めから夏休みだった。

夏休みに入るなり、新しい教科書出版の企画のお話をいただく。

ありがたい。

そのため、学校が休みに入ってからもほぼ毎日大学に来て企画を練っている。

詳しいことはまだここには書けないけれど、やりがいのある企画である。

ただ、難しい。

ウンウン唸りながら、アイディアを書いては壊し、壊しては書いてを繰り返していると、気づくともう8月。

まずい。

夏休みなのに、何も夏らしいことをしていない。 

海にも行ってないし、花火もしていない(もっとも合肥に海はないし、花火は禁止だが)。 

なにより腹がパンパンになるまでビールを鯨飲していない!

これで夏を過ごしたといえようか(否、いえぬ)。

なぜビールを飲んでいないかというと、減量中だからである。 

なにせ先学期7キロ太ってしまった。

これを夏休み中に取り戻さなければならない。

そのため、休みに入ってからというもの、毎日ジョギングをして、肉や酒の量を減らし、なんとか4キロ落とした。

当然ビールは御法度である。

でも、やっぱり夏といえばビールである。

このままでは悔いを残したまま夏休みを終えてしまう。 

 

ということで、一昨日飲んできました。

この日は夜に摂取することになるカロリーを見越して、事前にたっぷり運動して汗を流した。

35°の日差しの中、環状線に沿ってロードバイクで市内を一周(約50キロ)。

暑い。

市内を車と併走するので、全然スピードが出せず汗がだらだら出るが、うわごとのように「ビール…ビール…」と呟きつつ、3時間走る。 

家に帰って冷たいシャワーを浴び、少し午睡。

そして夕方。

数人連れで以前から気になっていた「海鮮バーベキュー」の店へ。 

さっそく近キンに冷えたハルピン・ビールと夏の名物「ザリガニ」を注文。

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330mlをあっという間に流し込み、2本目を注文。

「ザリガニ」が来るまで「巻貝の塩ゆで」をいただく。

これは爪楊枝を使って貝殻から身をクルクルっとほじくり出し口に放り込む料理であり、日本にもある「ニナの塩ゆで」などと同じ類のおつまみである。

子どもの頃、夏の夕方になると、父と一緒に近所の磯に行って「ニナ」を集め、塩ゆでにして食べたのを思い出す。

コリコリした貝肉とほんのり苦い肝が美味である。

一個食べるごとに一口ビールを飲む。

そうこうしている間に「ザリガニ」の登場。 

辛めの味付けで炒められた真っ赤なアメリカザリガニが山盛りになって出てくる。 

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これを手で剥きながら頂く。 

ザリガニの殻はなかなか固く、この剥く作業がなかなか面倒である。

なおかつ、そうやって剥いたザリガニの身は涙が出るほど少ない。

どんなに大きいザリガニでも小指の半分程度である。

店によるとザリガニを代わりに剥いてくれるサービスもあるらしい。 

しかし、夏の夕暮れにワイワイガヤガヤおしゃべりをしながらビールをくいくい煽りつつ、ザリガニを剥く作業はなかなか楽しい。  

剥きおわったザリガニを特性の辛味噌だれにつけて一口でいただく。 

カニのような繊維質の身でありながら、エビに近いプリプリの食感も併せ持っている。

美味しい。

で、口に残った油っぽさや辛味をビールで洗い流す。

うーん、夏だね。

ご存知の方もいらっしゃるだろうが、中国のビールは一般的に言えば度数が低い。

だいたい3%前後、高くてもせいぜい3.5%である。

だから、ほんとうに「水のように」飲めてしまう。

昼間運動をしていることも相まってガブガブ飲む。

「水のよう」だから、ガブガブ飲んでも酔わない。

さらにいえば、安い。

今回頼んだのは330mlで7元(100円)程度。

これより安いのだと、550mlで2元(30円程度!)なんてのもある。

中国の一般的なミネラルウオーター500mlが2元なので、これはもう「水」である。 

だから、鯨飲する。

「節約しないと」

「体重が」

「プリン体が」

そういう雑音を「ええい、うるさい!」と跳ね除けんばかりに王冠を引き抜き、ザリガニの殲滅を続ける。 

結局、3リッターぐらいのんじゃった。

後に残ったのは各種水棲生物の骸の山とボウリングができそうなほどのビール瓶であった。

まあ、いいの。

今年の夏は夏らしいこと何もしてなかったから。

で、家に帰って体重計に乗ると……。

うん、まあ明日からまた頑張ればいいさ。 

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