とある日本語教師の身辺雑記

中国の大学で日本語を教えながら、日常の雑感や出来事を気の向くままに綴ります(最近は麺と猫と自転車が主)。

ここ最近の日記

9月27日(金)

朝から夕方までぶっつづけで授業。

午前中の授業はどちらも3年生(「視聴説」と「作文」)。

今学期の「視聴説」はこれまで教科書(私が主審を務めたもの)を使ってきた。

が、教科書だけだと飽きるし、国慶節まえでお祝い気分なので、今日は別のビデオを見ていただく。 

具体的に言うと「仕事の流儀」(女優 宮沢りえ)とジブリを撮ったドキュメンタリー映画「夢と狂気の王国」。

私がぜひ考えていただきたいのは、演技と“倣作”(zuo4zuo)は果たして同じものだろうかということである。

この倣作とは、辞書の意味では「動作が作為的でわざとらしい、貶意」とあるが、私が見聞きしている範囲内でぴったりくる日本語は「ぶりっこ」である(死語だな)。

ようは、たとえば合コンなんかで男の子を前にした女の子が両手で口を覆いながら「わぁ、すっごい美味しそう!でもこれ食べちゃったら太るかも~」などとのたまえば、(私にとっては)倣作である。

 

 私は倣作が嫌いなのだが、なぜこんなことを学生さんたちに言うかというと、作文の中にもこのような「わざとらしい作文」があるからである。

そういう作文は、いくら日本語が正しくて理路整然としても、正直伝わってこない。

演技をめぐる宮沢りえと宮崎駿の言葉に、伝わる作文を書くために必要なものがある気がするので、ご覧いただくのである。 

なんだかんだで夕方まで仕事をしたあと、夜は会食。

現在複数の中国人の先生方と教材を編集しているので、その作戦会議である。

その席に市内の日本語塾の責任者の方が来ていて、日本人教師が足りないので非常勤できてくれと頼まれる。 

ときどきこういうお話を頂く。

お声をかけていただくのは非常にありがたいのだが、結構困る。

契約上、基本的に非常勤の仕事はできないことになっているし、なにより今は忙しい。

しかし、相手もかなり熱心に粘るので、とりあえず29日にその学校へ行き、見学だけすることに。

 はあ、大変だ。

 

28日(土) 

朝から大学へ行き4時過ぎまで原稿を書く。

そのあと折り畳み自転車に乗り、11km離れた日本料理屋へ。

今日は合肥市内の日本人教師や日本語を教えている中国人の先生たちとの食事会なのだ。 

私はお酒を飲むので、行きは自転車、帰りは折りたたんでバスで輪行するかタクシーに乗せて帰る。

こういうときに折り畳み自転車は本当に便利。 

店の前でささっと折り畳み、輪行袋に自転車をしまって、お店へ(自転車は受付カウンターで預かってくれる)。

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久しぶりにお会いする日本人の面々や中国人教師のかたがたと、ビールを飲み天ぷらやらニラ玉やらをつまみながら、久闊を叙する。

口々に「痩せましたね」と言われる。

まあ、前回会った時から7kgは減っているからね。

私は久しぶりに会うたびに太ったり痩せたりを繰り返している「月」のような人間である。 

きっとみなさん「バカかコイツは」とお思いだろう。

私だってそう思う。 

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明日は日曜だが国慶節の連休を作るために振替出勤となっているので、9時過ぎには散会(私はオフだが)。

自転車を抱えてタクシーを拾い、家に帰る。

シャワーを浴びたあとに爆睡。

 

29日(日)

金曜日の振替出勤日だが、金曜は一日中授業がないので、今日はオフ。

しかし、一昨日の約束があるので、地下鉄で20分ほどのショッピングモールに入っている語学学校へ見学へ。

受付に行き「あの~」と口を開きかけると、カウンターのお姉さん(たぶん大学を出て間もないであろう)がびっくりしたように「あ、〇〇先生」(私の名前は伏字にしておく)と声を上げる。

はて?

私はあなたのようなピチピチに若くて綺麗な中国人を存じ上げないはずだが。

聞けば、前任校で一年だけ教えた学生さん。

「先生、私は××ですよ!」(彼女も名前も伏せておく)とお名前を教えていただくが、まったくピンと来ない。 

「あ、ああ!××さんね、いやあ、大人になったねえ。綺麗になってたから気づかなかったよ、はは、はははは」と誤魔化すが、たぶん誤魔化せていないだろうな。 

私が薄情者なのだろうが、最近では卒業した瞬間に多くの学生さんの名前を忘れてしまう。 

私は悪い先生です、ごめんなさい。 

 

出迎えてくれた責任者の方に学校を案内されたあと、懸案の「非常勤をお願い!」について、中国語で1時間半議論をする。

とはいっても、私としては「すいません、無理です」(ほんとうです)がほぼ決まりなので、ほぼ説得である。 

お金の問題とかではなく、今は本当に状況が許さないことを、私のボロボロの中国語で伝え、納得していただかなければならない。

大変である。 

しかし、なんとか了解していただき、今後も仲良くしましょうということで、なんとかまとまる。 

ぐったり疲れて帰宅。

さっさと寝る。

 

 

30日(月)

 

キャンパス内はすっかり秋の雰囲気。

キャンパスに棲みついている猫たちも来る冬に備え、忙しそうである。

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中国では今日が国慶節の連休前最後の出勤日。 

しかし、今日は授業が6コマ入っている。

気力を振り絞りながら、18時10分まで授業をする。 

最後の1コマは2年生の授業だったのだが、早く休暇に入りたいのは彼女たちも同じ。

終業のベルが鳴って、私が「はい、では終わります。みなさん、良い休暇をお過ごしください。おりがとうご……」と言い終わらないうちに、多くの学生さんが荷物を引っつかんで、まさに「脱兎のごとく」教室から消える。 

良い休暇を。

本来ならば私もこれで家に帰って早寝をし、翌日早朝に「国慶節ライド」をするつもりだったが、突如日本語学部のみなさんとの食事会が入ったので、出席。 

大学によっては日本人教師と中国人教師との交流が全くない大学もあるが、うちはかなりフレンドリーである。 

北京の大学博士課程に勉強しに行っていたO先生と日本留学から帰ってきたL先生が、それぞれ白酒と紹興酒(どちらもけっこう高い)をお土産として持ってこられたので、私は白酒を頂く。 

うまい。 

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「口子種」は安徽省淮北のお酒。これは十年もので結構高いそう。「ビアンキ・グリーン」で綺麗。

美酒美食を頂きながらみなさんと歓談しているうちに、6コマ授業をこなした疲れもあり、すこしおねむに。

9時半にお開きになったあと、ベッドに潜り込み、「国慶節ライド」は2日にしようと思いながら就寝。