とある日本語教師の身辺雑記

中国の大学で日本語を教えながら、日常の雑感や出来事を気の向くままに綴ります(最近は麺と猫と自転車が主)。

第一校、終了。

ウイスキー・ロックなどをすすりながら、久々に日記の更新。

ここしばらく日記をアップしていなかったのは校正に追われていたからである。

たしか2週間ほど前の日記でも「夕方まで集中して校正をする(こりこり)」などと書いていた気がする。

が、その実、真っ赤な嘘である。

実際のところ私は、まったく関係ない書き物をしたり、本を読んだり、ごろごろしたりしていたのである。

とはいえ、4月中旬に出版予定が組まれている原稿を放っておくわけにもいかない(たしか元々は昨年9月出版予定だった気がするが、まあ気にしない、しても仕方がないから)。

というわけで、ここ数日は朝から晩までゲラとにらめっこだったわけである。

なかなか校正に取りかかる気になれなかったのは、やはり、この原稿を書いた者としての書き手マインドから、うまく抜けきれなかったからである。

筆者校正とはいわば、自分のバカさ加減をクールに見極める作業である。

訂正が必要な箇所があれば、そんなバカな記述をした自分と取っ組み合いをし、ねじ伏せ、自分で自分を納得させるに足る、新しい記述をひねり出す、そんな工程である。

よほどの自虐趣味でもない限り、気が進むはずがない。

というわけで、私は第一稿が出たあと、しばらく遊び呆けていたわけである。

ようは現実逃避である。

とはいえ、「逃げるは恥だが役に立つ」というのは本当である。

恥ずかしながらも原稿から逃げ、「あははははは」と遊び呆けているうちに、どうやら「書き手」としての私はうまい具合にどこかへ消え去ってしまったようである。

6日前、久々に原稿を「どれ」と眺めてみると、あら不思議。

自分が書いたときには気づかなかった(もしくは、気づきつつも「ふん」と素知らぬふりをしていた)粗や無理筋がくっきりと浮かび上がっているではないか。

さらに同時に、それらの問題箇所に「ふふん、何言ってやがんだ、このバカめ。よし、いっちょツッコミいれたろ」的なマインドになる私が颯爽と登場したのである。

というわけで、この機を逃さず「これ幸い」と校正に入った私は、昨日の正午に第一校を無事終了させ、出版社に送ったわけである。

ふう。

ほっと一息。

修正・訂正・加筆・削除などなど、今回朱を入れた箇所はおそらく全部で300程度、その間胃袋に流し込んだブラックコーヒーは30を下らないはずである。

予定では三校までなので、できれば最後まで「ツッコミいれたろ」マインドを保ちたいものである。

ということで、近況報告的日記でした。