とある日本語教師の身辺雑記

中国の大学で日本語を教えながら、日常の雑感や出来事を気の向くままに綴ります(最近は麺と猫と自転車が主)。

日記(新学期第1週)

 5日(火)

今日は一コマだけだけれども、一限から。

うちの大学の一限目は朝8時(!)からなので、つらい。

私は朝が苦手である。

非常に苦手といってもいい。

思い返してみれば、私は大学に入学したあとの最初の講義(8時50分開始)に見事に寝坊した。

私の大学生活は寝坊から始まったのである。

そのくらい朝に弱い。

でも、仕方がない。

仕事だからね。

5時半に起床。

のろのろと布団から這いずり出して身支度をしたあと、大学に行って授業の準備をする。

今日の授業は3年生の「日本語作文Ⅲ」。

今学期は卒論を書くための練習をするので、昨日に引き続き、とりあえず「論文とは何か」や「執筆過程」についてガイダンス的なことをお話する。

今学期私が担当する作文の授業は、この授業と2年生向けの「日本語作文Ⅰ」である。

この2つの授業は自分で録音し、あとで文字起こしして、作文の教科書を作る際の原稿にするつもりである。

出版できるかどうかもわからないが、こういうのは「やろう」と思った時にやっておいたほうがいいのである。

 

昼休みに散歩がてら荷物を受け取りにゆく。

新学期が始まったばかりのこの時期は、学生が実家から送った荷物や、学生に実家が送った荷物が大量に届くので、そこかしこに荷物が積み上げられてちょっとした小山となっている。

そこに荷物を受け取りに来た学生さんが長い列を作り、業者さんが文字通り額に汗してさばいている。

大変である。

私は列に並ぶのが大大大嫌いなので、学生さんたちが食後の昼寝をしているであろう時間帯を見定めたうえで受け取り所へ行く。

私の荷物の番号をつたえると、髪を後ろで引っ詰め結にしたおばちゃんが大量の荷物の中から手のひらサイズの小包をひっつかみ、こっちに半身だけ向けたまま(まるで熊が鮭を狩るときのような)豪快なフォームのアンダースローで、ゆうに5メートルは離れた私に向かって荷物を「パス」してくる。

惚れ惚れするほど見事なコントロールで私の胸元付近に飛んできた荷物を片手でキャッチし、「どうも、おつかれさん」と口にしながら、受け取り所を後にする。

よくよく考えたら荷物を投げよこしたあのおばさんは凄い。(サービス態度的もコントロールも)

それを平然と片手キャッチし、「どうも」と受け取って帰ってきた私もどうかと思うが。

まあ、別に割れ物ではなかったし、なんか面白い体験ができたからいいけれど。

 

6日(水)

朝から霧がすごい。

合肥ではあまり霧は出ないので、出勤に急ぐ車やぞろぞろと一限に向かう学生の群れが違って見える。

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 今週は奇数週なので、水曜日は一年生の会話が入っている。

月曜同様、サービス心を惜しげもなく披露し、くたくたになって事務室に戻る。

あまりに疲れたので、お弁当を食べたあと、いったん自宅に帰って昼寝。

 午後は教科書用に書いた原稿が出版社から戻ってきたので、ちょちょっと校正。

夜は学生さんから「火鍋を食べましょう」とお誘いいただいていたので、大学近くの火鍋屋さんへ行き、食卓を囲む。

 今回は「麻辣」(四川風辛いスープ)「三鲜」(あっさりスープ)「蘑菇」(キノコのスープ)「番茄」(トマトのスープ)という四つの味が味わえる鍋をチョイス。

具材も「ガチョウの腸」や「センマイ」、「ピリ辛砂肝」などなど、私が好きな“重口味”を中心に、「エビ団子」や「わかめ」などの海の幸もオーダー。

火鍋を食べる際には辛さから胃を守るためにも「つけだれ」が必要なので、ごま油にオイスターソースとにんにくみじん切り、刻んだパクチーなどを混ぜた私オリジナルブレンドの「つけだれ」を用意する。

今回美味しかったのは「豚の血」。

重慶で最初に目にしたときは、なぜ食卓に「赤い絵の具」が載っかっているのかと勘違いしたが、正真正銘の食材である。

こいつをオタマにとって、じっくり火を通したものに「つけだれ」を絡め、口に放り込む。

全く臭みはなく、優しい食感が美味である。

今回誘ってくれたのは「いつものOさん」と、日本の大学に交換留学に行っていたSさん。

いろいろお話をしつつ、お腹を満たす。

「前回先生がご馳走してくれたので」という理由で(そうだっけ?)、火鍋をご馳走になってしまった。

ありがとうございました。美味しかったです。

 

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7日(木)

朝から2年生の作文を添削。

日本語は思ったよりよくできているのだが、文章のバランスが悪い。

説明だけだと面白くないし、感じたことや考えたことは説明がなければわかりにくい。

これは明日の授業で扱うべき課題だな。

午後に授業がひとつ。

3年生の視聴説である。

月曜に引きつづき、和牛の漫才やアンジャッシュのコントをご覧いただく。

「天の声」システムの漫才がウケる。

なぜ普通の会話なのに、そこに「天の声」がくわわるだけで、面白みが感じられるようになるんだろうね。

授業後、O主任の高校時代の同級生が合肥に来ているということで、会食に招かれる。

場所はいつもの「名園」。

ここは大学のすぐ近くにあり、野菜や魚が新鮮でサービスもいいので、大学関係者が酒宴によく利用する。

メニューを選びに厨房付近の「食材置き場」まで行き、魚や野菜、乾物などを検分しつつ、卓に並ぶ料理を決めてゆく。

個人的には「どじょう煮込み麺」を食してみたかったのだが、「どじょう」はややトリッキーだし、酒席でいきなり主食を頼むのもどうかと思い、今回は見送る。

結局O主任にすべてを任せた結果運ばれてきたアヒルやエビ、中国ベーコンなどなどなど、山海の美食を頂きながら、淮北から来たお客さんと淮北の白酒をぐいぐい飲む。

 気づいたら二日連続の外食(しかもタダ飯)。

いかん、また太ってしまう。

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8日(金)

朝一で2年生の作文授業。

この授業では何を学ぶか、「文書」と「文章」の違いは何か、そして私たちが目指す作文とは何かについてご説明する。

そのあとに私が用意した3篇の文章(日本語初級教科書の例文、映画の紹介文、私の拙文)を読んでいただき、それらの文章を「説明・紹介・描写」の部分を黒で、「感覚・感情」の部分を赤で、そして「思う・考える」の部分を青で、それぞれ色ペンを使ってアンダーラインを引いてもらう。

そうすることで、その文章の構成や性格を学生さんに分析しながら、理解していただこうという意図である。

この授業も録音しているので、後で文字起こしして原稿にするつもり。(出版できるかどうかわからないけれどもね)

午後に2年生の会話の授業を終わらせ、一週間の授業は終了。

さすがにちょっと疲れた。

ひさしぶりに教壇で喋ったから喉がちょっと痛い。

さっさと家に帰って「野菜と魚たっぷり鍋」を制作し、ちょっとだけ焼酎を飲みながら食べると、もうまぶたが重くなってくる。

お風呂に入ったあと、9時には就寝。